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Vol.3
今日もまた予約の問い合わせが来た。しかし、どこかいつもと違った。
ニックネーム “ 上原 ” 、年齢 “ 10代 ” 。ニックネームがニックネームになっていない。本名は明かさないというルールなのだが…。しかも年齢が若い。自分と同年代ってことか?それはそれでやりづらい。
私はDMで確認する。
ニックネームはこれで宜しいですか?
本名ではありませんか?
すぐに返信が来た。
構いません。
ということは、本名なのかもしれない。しかし、本人がそれでいいと言うのなら、あとはこっちからどうこう言える筋合いではない。このままこれでいこう。
さらに、この上原さんは本番行為まで希望して、オプションとして “ すっぴん ” と “ 制服 ” と “ 真面目 ” を希望し、料金は5万円。10代が一気に5万円なんて本当に払えるのだろうか。
それに、すっぴんは困る。誰にもバレないようにするために基本はメイクをしているため、このオーダーは難しい。
申し訳ありません。
すっぴんは受けておりません。
ナチュラルメイクはいかがですか?
真面目は、清楚系で宜しいですか?
何故かドキドキしながら返信を待った。
分かりました。お願いします。
キャンセルにならずに済んで、ホッとした。
ありがとうございました。
明日18時のご予約承りました。
いつも40・50代のおっさんばかり相手にしているから、10代というのは新鮮だ。どうせモテないような冴えない男なのだろうと推測していた。恋すらろくにしたことのないような男が、堂々と一人の女を抱けるはずがない。私は勝手に妄想を膨らませ、明日はこちらからガンガン攻めてやろうと企んだ。
学校が終わり、私は駅のトイレで変身作業を始める。メガネを外し、まずはバッチリアイメイク。これだけでかなり別人に生まれ変われる。ただ、今日の客はナチュラルメイク希望の為、あまりやり過ぎない程度に仕上げる。あとは全体的に軽くメイクをし、ウィッグを被る。今日は制服オプションだから着替えは無し。しかも清楚系だから胸元も開けず、スカート丈もこのまま。
変身完了。
いざ出陣。
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