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Vol.1
「毎度ありがとうございます。」
私は制服を着ながら、このリピーターのおっさんから5万円受け取る。本日の仕事はこれで終わり。
「ありがとね、羅夢ちゃん。最高だった。またよろしくね。」
おっさんはそう言うと、私の耳元にキスした。
ホテルを出ると、それぞれ別の道を帰る。駅や家まで送ってくれる人なんて誰一人としていない。
こんなクソみたいな毎日を送る自分が嫌い。でも、今の私には、こうすることしかできないのだ。
これはビジネス。
SNS上で “ぬくもりレンタル・羅夢 ” として、いわゆるパパ活を募集している。毎日オーダーが絶えない。こう見えて私は人気があるらしい。
「ぬくもり貸します」というキャッチフレーズで、そして、羅夢という偽名でビジネス展開している。
食事・手つなぎまでOKの2時間コースで5000円。これが基本料金。ボディタッチ希望ならプラス10000円。本番行為まで希望なら更にプラス20000円。多少高く価格設定していても、ほとんどの客は本番行為まで求めてくる。
あとはオプションとして、メイク、ヘアスタイル、衣装、イメージなど、希望1件につきプラス5000円。例えば、バッチリメイク、ツインテール、ミニスカート、セクシー系イメージ、の4件を追加希望すると、プラス20000円。
苦しい時も辛い時も、時には恐怖を感じる時だってある。
でも、“ 私を必要としてくれている ” 、そう思えるから頑張れる。
オーダーはDMで行う。本名を明かさないというルールのもとで受け付けている。必要事項はニックネーム、年齢。これだけ。希望日時とコースを確認したら予約完了。
待ち合わせ場所で合流したら、まずはカフェへ行き、本日の流れを確認する。了承したら、その後は時間いっぱいお客様を楽しませてあげるだけ。
かれこれ3年続けている。これを始めたのは中学2年の時だ。パパ活は、もうベテランの域に入っている。
このことは、誰も知らない。
誰にも言えない。
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