恋愛編

1/3
前へ
/3ページ
次へ

恋愛編

11月 放課後 「ん、お前も食う?つか食って。ゴミ捨ててぇから。」 そう言って彼、佐伯は購買で買ってきたポテトを私に差し出した。私は 「そう、いただきます。」と言って彼の手に乗っているパックからひとつ、ポテトを取って口に運んだ。昼に買ったものだから、当たり前のようにそれは冷めていたのだが味はまあ、普通に美味しかった。 「まだ帰らんの?」 私がふと時計と学校の外の色を見て尋ねてみた。 終業から1時間が経過した教室には私と佐伯、あとは井田がいるのみだった。3人で音ゲーの通信をしたり、あいつとあいつ、付き合ってるんじゃないか?みたいな話をして盛り上がっていた。私たち3人は窓側の席を3つ、使っているだけだったのでほかの席は当然綺麗なままであった。その雰囲気はどこか寂しくて冷たかった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加