吐き出し

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 本当にこんなことをやっていていいのだろうか。そんな考えがずっと頭の中を支配している。もちろん好きなことだし、自ら進んでやっている。やらされているわけではないから、こんな感情を持つことはお門違いなのかもしれない。ただ、その先にお金があると思っているからこういう活動をしているという面もある。もっと裕福な家庭に生まれていたのなら、自分を信じて突き進むことも出来たかもしれないが、貧乏な自分にとってお金になるかどうか不確定なものに熱をかけるのは難しい。ハングリー精神で頑張れとか言われるかもしれないが、生憎そんなに精神は強くない。確かに、この業界には一発逆転が出来るほどの夢がある。ずっと頑張り続ければ、いつかはお金に代わり人生が楽になるかもしれない。ただ、それを出来るのはほんの一握りの莫大な才能を持った人たちだけだ。それだけでも難しいのに、加えて運も必要ときている。そんな大事を自分なんかに成し遂げられるとは到底思えない。運が悪いのも分かっているし。不安に押しつぶされそうな夜は数知れず、心はずっと雨模様だ。何かもっと確実にお金になることをやりたいのだが、生憎のところそんなに身体は強くない。むしろ弱い。もし、毎日7時間睡眠とかで、何の身体の不調もなく過ごすことが出来れば、もっと良い人生が送れていたのだろう。そんなもしもを語ったところで何の意味もないが。結局のところ、生まれたときに配られた手札で闘うしかなく、それが雑魚ばっかだったら人生の質なんてたかが知れている。雑魚は雑魚の人生を送るしかなく、最強の人生を指をくわえて眺めることしかできない。憧れてそうなろうと頑張ったところで、なれるはずがないのだ。生まれた時点でその後の行く末のほとんどが決まっているのならば、努力なんて意味がないのだ。下の階級の者は上の階級に行くすべがなく、ただ、上の者たちを眺めることしかできない。  この状況で、自分の人生とは……と考えてしまうのは、むしろ妥当だろう。意味もなく悩み、必要もないのに努力を重ねる。本当に、何のために生まれてきたのだろうか。
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