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「先生には解らへん…
交通費の心配も
したことないやん…」
口をついたハルちゃんは
「夏美が可哀想や!
お金に追いかけまわされて
死んでまでメチャクチャ
言われて…私も…
切羽詰まったら…あ、ああうぅ」
もう涙も文句も止まらない。
腹を立てた鈴子の矛先は
「せやせや!“お嬢さん先生”
“頑張りたいだけ”の教師は
なんもせんと黙っていれば?」
担任への悪態に…
「苦労もなしに幼稚園から
大学までこの“花園”、
農薬もハチも知らんやん?」
「 ・・・・・・ 」
俯く担任の代わりに
いつの間にか廊下にいた
「ほんだら、鈴子、
お前もハチに刺されたこと
あるっちゅうんか?」
松堂さんが答えて、
一緒に生徒会室へ入った校長先生が
ドアを閉じた。
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