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第5話 目覚め?(3)
でも、友人、知人を放置。
素知らぬ振りと素振りで、転寝をしている異国情緒溢れる金髪ツインテールの少女の方は。
転寝、お昼寝、午後のスリープタイムの彼女の脳内、夢の中を確認してみれば。
(う~ん、一体誰? 誰なの? このリムを。万物創生の頂点。王者に君臨するドラゴンであるリムの、深い眠りを妨げる者は)、
「ムニャ、ムニャ」と、なのだ。
……だけではなく。
(余程この我に! リムに! 自身の肉体、身体をバラバラに引き裂かれて、食されたいようだな! こやつは!)、
「ムニャ、ムニャ」とも。
金色のツインテールの少女は思いながら、夢の最中にいるみたいだね。
と、なれば? このまま、金髪ツインテールの少女を友人、知人の少女が擦り起こすようなことになれば大変。
大変なことになるのでは? と、思う。
だって金髪ツインテールの少女は、自身のことをドラゴン。
竜だと、夢の中で言っている。
呟いているから大変。
大変なことにならなければ良いのだがと、言いたい。
述べたいところではあるのだが。
異国情緒溢れる金髪ツインテールの少女は、自身の頭を自らあげたようだから。
彼女、少女は目覚めたようなのだよ。
それも、金髪ツインテールの少女は、未だ眠りから完全に覚めてはいない。
起きてもいない。
半分は未だ寝ている状態で、自身の頭と身体を起こしたようだ。
だから未だ寝ぼけている彼女、少女の口から出る! 吐かれる台詞は!
「うぎゃ、あああっ! がぁ、おぉおおおっ! 誰じゃ~。わらわの眠りを妨げた者。逆鱗に触れた者はぁ~? がぁおおおっ! がぁおおおっ!」と叫び。
更に金髪ツインテールの少女は、自身の両手を上げ、怒りのポーズをして構えながら。
「わらわの眠りを妨げた者には、今から怒りの鉄槌と裁きをくれてやる! 覚悟しろ! 下界! 城下に住み暮らす。亜人どもめぇえええっ!」、
「うぎゃ、あああっ!」と。
怒気を含んだ声音で荒々しく叫び出した。
だから金髪ツインテールの少女の身体に触れ、触り、揺すり、起こしていた日本人の少女の口からは、「きゃぁ、あああっ!」と、当たり前の絶叫が放たれる。
まあ、そうなれば、これも自然の摂理、通りでね。
この教室、クラス内に未だ居る。
居座り、友人同士で机を挟んで会話している生徒達皆が。
金髪ツインテールの少女と、それを起こしたが為に驚愕、絶叫を吐いた。放った日本の少女へと注目が集まり。
「澤田?」
「サチ?」
「さっちゃん、どうしたの?」
「大変に大きな声……」
「声を出して、驚いたようだけれど?」
「何かあったの?」
「あったのか?」
「澤田?」
「サチ」
「さっちゃん?」と。
クラスに未だ居残る生徒達から【澤田】、【サチ】、【さっちゃん】と、名を呼ばれながら。
一斉に問い尋ねられてしまうから。
「リ、リムちゃんが、急に大きな声を出したから。ついつい驚いちゃって……。本当にごめんね。みんな……」
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