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第8話 目覚め?(6)
それでも、リムの声、雄叫び! 咆哮が! 余りにも大きい上に、リアル過ぎる怒吠えに、怒声。荒々しすぎるものだった。
まあ、そんな理由、訳もあるから、放課後の教室内の騒めき、喧騒は、中々収まらない。
だからリム自身も、額に汗! 汗! 『困ってしまって、ワンワン』な状態へと陥ってしまっている状態なのだ。
でも、そんなリムにも、自身の心を許せる。
そして頼れるクラスメイト、友人……。
そう。親友とも呼べる大変に仲の良い友人がいる。
内緒、内緒の身の上である彼女、少女自身にも。
と、なれば?
リムを庇う明るい声音の台詞、言葉が、こんな感じで教室内へと響くのだ。
「うん、いいよ。リムちゃん」
と、澤田幸子。
そう、リムの、さっちゃんがね。
幸子と言う名前だから。
リムに微笑み頷いてくれる。
また、サチが、さっちゃんが『うん』と、頷けば。
「まあ、最初に竜田の寝ぼけた雄叫び。咆哮に驚き。悲鳴、絶叫をあげ、放ったのは澤田だから。澤田が良いって言っているのならば、良いんじゃないのか?」と。
サチの頷きに呼応するように、上田少年が呟けば。
「うん、そうだな」
「上田の言う通りだ」
「澤田が」
「サチが」
「サッちゃんが良いんなら、良いんじゃないかな?」と。
この場、教室内にいる者達。
リムのクラスメイトの者達が、ワッと、騒めく行為をやめて落ち着きを取り戻し始める。
そしてまた皆が思い思いのことを。
リムが寝ぼけて、本来の彼女、少女の姿。
ドラゴン、竜姫に戻りかけそうになった行為の前の騒めき、喧騒の状態へと、居残りのクラスメイトと達、各自各々が戻り。
自分達が以前にしていたこと、行為を何もなかった。
起きなかった。
起きてもいなかったかのように始めだしたのだ。
と、なれば?
サチの幼馴染である上田少年の口が開き。
「帰るぞ~! 澤田〜! 竜田〜!」と。
彼が自身の荷物。校章の入った学校指定の学生カバン。
肩掛けショルダー、ランドセルにもなる優れ物を、自身の利き腕で握り持ちあげながら、二人へと気だるそう声をかける。
それを聞くとサチは、「うん」と嬉しそうに頷き。
リムは、「あ〜い」と、サチに続くように声を漏らすのだ。
二人は、自身の学生カバンをランドセルのように背負いながらだ。
でっ、その後三人は、自身の教室内を見渡すように仲良く見詰めながら。
「あばよぉ~!」
「じゃねぁ~。みんなぁ~」
「バイバイ、また明日~」と。
上田少年、サチ。そして最後、鳥にはリムが。
金髪碧眼ツインテールの麗しい竜姫のリム姫さまが、教室内に残るクラスメイト達へと王女殿下の如く振る舞いで、手を優しく振り教室内を後にすると。
「バイバイ」
「さようなぁ~」
「また明日~」と。
三人の背に優しい声が返ってくる。
◇◇◇◇◇
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