異世界から着た金色の、竜姫のリムのお家は、お好み焼き屋【さつき】

8/137
前へ
/137ページ
次へ
第8話 目覚め?(6)  それでも、リムの声、雄叫び! 咆哮が! 余りにも大きい上に、リアル過ぎる怒吠えに、怒声。荒々しすぎるものだった。  まあ、そんな理由、訳もあるから、放課後の教室内の騒めき、喧騒は、中々収まらない。  だからリム自身も、額に汗! 汗! 『困ってしまって、ワンワン』な状態へと陥ってしまっている状態なのだ。  でも、そんなリムにも、自身の心を許せる。  そして頼れるクラスメイト、友人……。  そう。親友とも呼べる大変に仲の良い友人がいる。  内緒、内緒の身の上である彼女、少女自身にも。  と、なれば?  リムを庇う明るい声音の台詞、言葉が、こんな感じで教室内へと響くのだ。 「うん、いいよ。リムちゃん」  と、澤田幸子。  そう、リムの、さっちゃんがね。  幸子と言う名前だから。  リムに微笑み頷いてくれる。  また、サチが、さっちゃんが『うん』と、頷けば。 「まあ、最初に竜田の寝ぼけた雄叫び。咆哮に驚き。悲鳴、絶叫をあげ、放ったのは澤田だから。澤田が良いって言っているのならば、良いんじゃないのか?」と。  サチの頷きに呼応するように、上田少年が呟けば。 「うん、そうだな」 「上田の言う通りだ」 「澤田が」 「サチが」 「サッちゃんが良いんなら、良いんじゃないかな?」と。  この場、教室内にいる者達。  リムのクラスメイトの者達が、ワッと、騒めく行為をやめて落ち着きを取り戻し始める。  そしてまた皆が思い思いのことを。  リムが寝ぼけて、本来の彼女、少女の姿。  ドラゴン、竜姫に戻りかけそうになった行為の前の騒めき、喧騒の状態へと、居残りのクラスメイトと達、各自各々が戻り。  自分達が以前にしていたこと、行為を何もなかった。  起きなかった。  起きてもいなかったかのように始めだしたのだ。  と、なれば?  サチの幼馴染である上田少年の口が開き。 「帰るぞ~! 澤田〜! 竜田〜!」と。  彼が自身の荷物。校章の入った学校指定の学生カバン。  肩掛けショルダー、ランドセルにもなる優れ物を、自身の利き腕で握り持ちあげながら、二人へと気だるそう声をかける。  それを聞くとサチは、「うん」と嬉しそうに頷き。  リムは、「あ〜い」と、サチに続くように声を漏らすのだ。  二人は、自身の学生カバンをランドセルのように背負いながらだ。  でっ、その後三人は、自身の教室内を見渡すように仲良く見詰めながら。 「あばよぉ~!」 「じゃねぁ~。みんなぁ~」 「バイバイ、また明日~」と。  上田少年、サチ。そして最後、鳥にはリムが。  金髪碧眼ツインテールの麗しい竜姫のリム姫さまが、教室内に残るクラスメイト達へと王女殿下の如く振る舞いで、手を優しく振り教室内を後にすると。 「バイバイ」 「さようなぁ~」 「また明日~」と。  三人の背に優しい声が返ってくる。  ◇◇◇◇◇
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加