思わぬ再会~side大河~

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「くれぐれも。……くれぐれも、余計な真似はしないで下さいね?」  ……本当にこの人は俺の事を、いったいなんだと思っているのだろう?    その発言は無理矢理抑え込み、勿論とだけ答えた。  控え室に戻ると、渡されたクリアファイルから資料を取り出し、その内容を確認する。  数枚めくったところで、彼女の。  ……櫻木 春呼さんの写真が貼られた、プロフィールカードが見付かった。  『春を呼ぶ』、と書いて『はるこ』さん。  その名は明るく元気いっぱいな彼女に、とても合っている。そんな気が、した。  そしてさっき彼女が話していた、相手は……っと。  なるほど。小児科医さん、ねぇ。   しかも次男で、親とは別居。  木ノ下さんはうちの結婚相談所に登録してから既に3ヶ月ほど経っていたから、スタッフが手書きでその印象を、メモ書きとして残していた。  『優しい』『穏和』『やや、人見知りなところあり』。    おそらく女性からしてみたら、母性本能がくすぐられるタイプってヤツだろう。  収入面的にも、性格的にも、俺も迷いなくイチオシさせて頂く優良物件だ。  ……通常であれば。  結婚相談所のスタッフがなんて事を考えているんだと、自分でもまったく思わないワケではない。  ワケではないが、しかし……。  面と向かって邪魔することはさすがに(はばから)れるが、何とかしてふたりを引き離したい!  そんな事を考えているだなんてバレぬよう、しれっとさも真面目に仕事中ですよというような顔をして、再び戦場へ。  佐藤さんに参加者の資料を返しながらも、無意識のうちに瞳は春呼さんの姿を探していた。
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