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「ホントもはや、ファンタジーですよねぇ。
一代で財を築いた若きイケメン社長と幼馴染みの、再会ラブ!
はぁ……、素敵」
うっとりと、安里ちゃんは頬を薔薇色に染め、瞳を潤ませた。
それにちょっと苦笑しながら、ボソッと呟いた。
「とはいえ私は、高安社長だけは嫌だわ。
だってあんな暴君とずっと一緒にいたら、早死にしそう!」
しかし運悪く、それは社長の耳に届いてしまったようだ。
恐るべし、地獄耳!
片手でガシ、と掴まれ、固定された頭部。
恐る恐る無理矢理振り返るとそこには、予想した通り社長の姿。
そして言われた言葉に、ヒィと思わず小さな悲鳴を上げた。
「ほほぉ、お前そんな風に思ってたの?
櫻木ちゃんには、再教育が必要みたいだな」
「か、か、軽い冗談じゃないですか!
いやぁ、本当にお似合いのカップルだなぁ。
こんなにも素敵な社長に愛されて、彼女は三国一の幸せ者ですね」
慣れないおべんちゃらを口にしたけれど、彼はフンと嗤って意地悪く口元を歪め、絶対本音じゃねぇだろうとだけ告げた。
私は今日忙しくてランチをとるタイミングがちょっとずれたが、壁に掛けられていた時計を横目で確認すると、時刻は13時の少し前。
笹本さんが仕事に戻ってしまったため、この男は暇になったという事なのだろう。自由人め!
「まぁ、いいや。そんな素敵な社長が、お前に新たな仕事をやろう」
そんな事を言いながら、テーブルの上にバサリと雑に置かれた、A4サイズの封筒。
「今度新しく始める事になった、プロジェクトの草案な。
つってもまだ今のところ、コンセプトも何もほぼ決まってないんだけど。
とりま暇な時にでも、目を通しといて」
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