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コーラに隠れたメッセージ
今日からお前の妹だ、と紹介されたのはクラスメイトの女の子でした。なんて、ライトノベルのようなことが起こったのは高2の正月。父の再婚相手である星野さんを紹介された時だ。
星野さんの隣には当時、星野唯美と呼ばれていたしっかり者で気の強い女子がいた。
「同い年の息子さんがいるとは聞いてはいたけど」
「まさか同じ高校で同じクラスとはなあ。こりゃあ運命かもしれませんね!」
戸惑う子どもを放置して親同士はなぜか盛り上がっていた。俺たちはそんなふたりを横目に無言。最初に話を切り出したのは唯美からだった。
「よろしくね、諒くん」
「お、おお」
今まで話したこともなければ呼ばれたとしても名字だった相手からの名前呼び。雷に打たれたような衝撃と共に心臓が跳ね上がった。
その後、俺たちが3年生に上がるのと同時に親は入籍し、星野唯美は飯田唯美になった。親の再婚でたまたまクラスメイトと同じ名字になってしまった、と周囲には話そう。
そう、事前に確認していたのだが。
「あの飯田諒と兄妹になったそうじゃないか。家での生活はよろしく頼むぞ、ほし……飯田!」
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