ホワイトデーの一夜 side真

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備え付けの冷蔵庫にはよく冷えたミネラルウォーターが5本入っていた。 どうやらサービスらしい。 ボトルを持ってベッドに戻り、ほとんど眠りかけの撫子に、無理やり水を飲ませる。 少し飲んだのを確認したところで、一息ついたせいか、俺自身も一気に酔いが回ってきた。 「やばいな…」 そう思った所までは覚えている。 ◇◇ 喉に猛烈な乾きを覚えて目を覚ました。 目を開けて、そこがどこだか思い出すまでに数十秒かかる。 「…今何時だ…」 サイドテーブルの上の時計を見ると、午前2時35分。4時間も眠ってしまったらしい。 1つしかないダブルベッドに、撫子の姿はなく、バスルームからシャワーの音が聞こえる。 小さいけれど、ソファでも仮眠は出来たはずだ。 それなのに隣で寝てしまっていた俺を、撫子はどう思ったのだろうか。
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