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「すごーい!」
「宣がまだ小さくて、母さんも環の毛玉にまで手が回らなかったんだ。
それに父さんは手先が不器用過ぎて、毛玉をちぎろうとするから環が嫌がって。
それで仕方なく俺が」
「いいお兄ちゃんだね。
……って、その時泉はどうしてたの? 」
「当然のように『私も!』って。
あいつの髪は全く絡まらないのに、何故かトリートメントさせられてた」
「……さすが、泉はお姫様だ。
そうかー!
この技が磨けたのは朝倉家の姫達のおかげなんだ。
じゃあ真の子供は得だねぇ。
パパがいつも綺麗にしてくれるんだもん」
「……」
一緒に風呂に入って、これからいい雰囲気になるかって時に、俺の子供の話?
しかも随分と他人事のように。
わかってるのか?
子供ができるとしたら、撫子の子でもあるのだが。
「流すぞ」
◇
「ねぇ」
「なんだ? 」
「私も報告があるの」
「……なに」
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