俺のもの side真

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ジャグジーに漬かって、やっと一息って時に改まって報告って言われたらドキッとする……。 さっきの撫子もこんな感じだったのか……。 「私ね、お店を出そうと思うの」 「は?」 「今回の、HASEGAWAとのコラボで、風呂敷の提案をしたじゃない? お兄ちゃんがね、私の夢を応援するって言ってくれて……」 「応援?」 「うん。お兄ちゃんはもちろん私の夢を知ってる。……今は桐野屋で仕事をしているから、何も動けてないってこともわかってる。 私ね、楽しかったの。京のお手伝いだけど、端切れと違って、子風呂敷は一から用意したから。京が求めてる色と質感と、希望通りのものを私が探して、手配したのよ。 素敵な柄の風呂敷や、要望通りの色ものを見つけた時は、すっごく嬉しかった。 いつも出張ばかりで、その合間でのお手伝いだったけど、ワクワクしたわ。 お兄ちゃんがそれを見て、言ってくれたの。 店を出さないかって。 ちょうどね、桐野屋呉服店の隣のビルの1階が空いたのよ。元々小さな美容室があったところなんだけど、そこを私の店にって」 「それって、桐野屋がするのか?」
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