ランチの誘い

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ランチの誘い

そんなこと思いながら歩いてたら、見覚えある顔? ああ、中学が一緒で高校生の時少し付き合っていた元カレだ。正彦だ。 昔は私より背丈が小さかったのに今では少し大きくなってた。しかもスーツ着てるし。 二重なんだけど目がシュッとして高い鼻、唇は少しうすい。 端正な顔立ちは変わらないけど、マミとなんか話し込んでる。 マミ、余計な事言ってないといいんだけどなぁ。 「お!元カップルおそろいだね!もういい年なんだから語らうといいさ!」 マミが私を正彦の隣の席に座らせる、ちょっと困るなぁ。はずかし。 「紫、どうする?カクテルにしとく?」 「うん、カシオレで」 「マスター、カシオレおねがいしゃす!あと、赤ワイン!」 「しっかし紫、かっわいいよー!私もそんな風になりたい!下戸になりたいー!!」 酒豪のマミ、声でかいよ、酔ってるな。昔はいじめっこから救ったのに。あんなに淑やか系だったのに、いや昔から図々しい、もとい、結構頑固な子だったけか。 マミはお母さんを病気で突然亡くして、強くなって当然だよね。 いつの間にか強力なキャラになってる。そう思ってる間にカシスオレンジが来た。 マミが乾杯の音頭をとる「紫も来たってことで、カンパーイ!」 最初は久々に会う女友達と話は盛り上がる。仕事、皆大変だよね。子育ても大変だよね。 正彦もだいぶ飲んでるみたいだけど、酒に強いみたいでだいぶ冷静。 昔から冷静だったもんね。 正彦が話しかけてきた。 「残業だったのか?」 「うん、ちょっと断れない性格だから、つい」 「岩城、いまどこで働いてるの?」 「大手町のS エレクトロニクスだよ」 「大手町?俺も。丸菱商事で働いてるんだ。課長になっちまって面倒な役職つけられて面倒だけど、仕事は時間内にやって残業は基本しないように、ていうか俺が人事に提案したんだけどな。19時にはビルの電気強制消灯ってどうすか?て。したらすんなりよ。時間内で仕事終えて早めに帰宅したほうが皆ハッピーじゃない?」 なんと、正彦と職場が近いこと、今更知ったよ。しかも課長って。 なかなか昇進が難しいこのご時世にすごいなエリートめが。しかも残業かきけすプロジェクトあっさり通してすごいんだけど。 「なぁ、今度、ランチでもしない?いつも社食であきちまって」 なんか昔と違って照れ臭さ感ない。大人になったのかなれたのかちょっと微妙な気持ち。 「あ、うん、いいよ」 うわー、うっかりOKしちゃった。 場の雰囲気と正彦の成長ぶり?におされて、いいよって言ってしまった。 そうも話してたらあっという間に閉店&終電間際。 解散となったがマミはどこかで朝まで飲むらしい。明日土曜日だから。 --正彦、結婚してるのかな?彼女いや、もう結婚してるのかな? 色々な考えがよぎる。電車で考えてたら正彦からメッセージが届いた。 「久しぶりに会えて嬉しかった。大手町ランチしような!」 ちょっとこういうの久々でドキドキするなぁ。 「私も正彦がいると思わなくてびっくりしたよ。大きくなったねw」、送信っと。 「大学入って急に伸びたんだよ!まぁ月曜ランチの時ゆっくり話そうな。土日ゆっくり休めよ」 久々に労りの言葉をもらい、心にしみるのでした。て、月曜日?すぐやん。
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