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「俺も別にそこまでコーヒー通じゃないから! ちょっと足伸ばしてもいいかな? 向こうの公園の前にチェーンのカフェあるから、そこはどうかな。デザートドリンク好き?」
「公園のカフェ、って有名だから知ってますけど行ったことないです。ドリンクも名前だけは」
──え? マジ?
隼人は思わず零れそうになった言葉を何とか堪えた。危なかった。
「……あ、だったら行く? それとも何か嫌な理由とかあるのかな」
「いえ、別に。ただ機会がなかっただけですから」
確かに、唯にはあまり大勢ではしゃぐイメージはない。
女の子同士ならああいうカフェには普通に行くだろうし、馴染みがあっていいかと選んだに過ぎないのだが。
想定外の状況にも何とか言葉を続けた隼人は、彼女の返答に安堵した。
「せっかくだから一回行ってみたいと思ってたんです」
「そっか、じゃあ行こう!」
とりあえず、細かいことは今は置いておこう。
頓挫し掛けた計画をどうにか元の軌道に乗せて、隼人は有無を言わせず彼女を促した。
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