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「新作だってさ。俺はこっちにしようかな。君は?」  店の前のボードを見ながら隼人がそう言うと、唯はじっくりとボードに書かれたメニューを見比べて「じゃあ、私はこのストロベリーにします」と違う方を選んだ。 「ここで待ってて」  カウンターへ行った隼人がオーダーを済ませ、カップを持って戻って来るのを待ち構えていた彼女は財布を手にしている。 「ありがとうございます。お代を……」  当然のように切り出す彼女に、隼人はとんでもない、と首を振った。 「俺が誘ったんだからこれくらい俺が出すよ、当たり前だろ」 「でも、メンバーを誘うたびにこんなことしてたら大変じゃないですか? いくらお茶でも、積み重なったら小さくないですよね? ここ、単価高いですし」  真顔でそんな言葉を吐く唯に、隼人は脱力しそうになる。 「え、~と、もしかして仕事の延長のつもりで来てくれた、とか?」 「違うんですか?」  恐る恐る口にした台詞を、彼女は否定してくれない。 「あー、うん。ゴメン、違うんだ。断れなくて来てくれたんならホントに、その」  次々襲い来る衝撃に、さすがの隼人も冷静さを保てずにしどろもどろになってしまった。
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