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そのまま連れ立って公園まで移動する。
空いているベンチを見つけて腰掛けると、二人は並んでボリュームのあるドリンクを飲んだ。
「あ、美味しい。飲み物って言うより本当にデザートみたいですね。見た目も綺麗だし」
スプーンでホイップを掬って口に運びながら、唯は自然に微笑む。
「それはコーヒーですか?」
隼人がストローで少しずつ混ぜながら飲んでいると、彼女が隼人の手のカップを見ながら訊いて来た。
「そうだよ、コーヒーベース」
「私、コーヒーじゃないのがあるなんて知りませんでした」
本当に縁がなかったらしい。
隼人も特に気に入りというわけでもないが、それでも一人でふらりと立ち寄ってコーヒーを飲むことくらいはよくあるのに。
「まぁ一応、コーヒースタンドだもんな。でもこのドリンクはそうじゃないのも多いよ。今君が飲んでるみたいなフルーツ系も、季節ごとにいろいろあるし」
「ふぅん、そうなんですね」
どうでもいい話をしているうちに、ドリンクも残り少なくなってくる。
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