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「え~と、もう一度整理させてくれよ。君は俺が好き、なんだよね?」 「はい」 「で、さ。俺も君が好きなんだ、けど」  決死の覚悟で告げてはみても、目の前の想い人は顔色一つ変えることはなかった。 「……だから、それがわかりません。どうして私なんでしょう」  相変わらずの熱の籠らない声に、隼人は頭を抱えたくなった。感情が読めない、かなり個性的な子だとは思っていたけれど。  この場に相応しい言動が思いつかない。 「それはどういう意味なのかな。俺の言うことなんか信じられないとか、そういう?」 「違います。私は大槻さんを信用してますから」  恐々と探るように訊く隼人に、彼女はきっぱりと返して来た。 「しばらく前に大槻さんと一緒に帰ったじゃないですか? あのときも言いましたけど、仕事で作ってるだけじゃなくて本当に見て感じたそのままの誠実な方なんだって。それ以来、少し特別に考えるようになったんです」  あの、日。  隼人が唯を、そういう意味で意識した日だ。この子も、同じ……。 「だから大槻さんじゃなくて私の問題なんです。どう見ても男の人に好かれるようなタイプじゃないでしょ、私は」
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