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 いつもと変わらず無表情で饒舌とは程遠い唯だが、とりあえず会話が続いてはいる。  結構喋るんだな、というのが隼人の正直な感想だった。  仕事中に抱いていた印象からして、もっと無口かあるいは尖ったことでも言うのかと考えていたのだがそうでもないらしい。  退社後とはいえ、隼人とでは仕事の続きだと捉えて多少は身構えられるのも当然かもしれなかった。  そうなると、ますます彼女の素顔は謎に包まれたままだ。……今まで、興味を持ったこともなかったのだが。 「大槻チーフって、……本当に見たままの方なんですね」  どういう意図があるのか不明だが、唯が突然呟く。見た目通りの堅物でつまらない男だという意味だろうか。  そうだとしても、隼人はその程度のことでいちいち腹を立てるほど青くはなかった。  これくらい軽く流せるくらいには経験を積んで来ている。  喜ぶようなことではないのも間違いはないけれど。
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