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モブメイド:おかえりなさいませ、ご主人様!ご主人様は初めてのご帰宅でしょうか? 実:いいや、何度も帰宅しているよ。ここは俺の屋敷さ。 モブメイド:さ、左様でございましたか。失礼致しました。 実:いいよいいよ。君、新人さんだろ。これから覚えてくれればいいさ。俺は実。週に4、5日は通っているから、よろしくね。 モブメイド:え、あ、はい!よろしくお願いします。 実:うん、じゃあ早速注文ね。「らぶきゅんオムライス」「トロピカルミックスジュース」。この二つ、俺のいつものだから。覚えてね。 モブメイド:え、あ、はい! 実:それから……あー……いや。取り敢えずそれだけでいいや。 モブメイド:かしこまりました!少々お待ちくださいませ。 実: 今日はしーちゃん出勤していないのか。それとも休憩中か。 今月のシフトは全く確認できなかったんだよな。彼女の出勤時間に合わせてみたが、もしかしたら今日は空振りかもしれない。 俺がここに帰るのも、彼女の為だ。彼女との時間を少しでも増やしてあげる為だ。じゃなきゃ、わざわざあんな高い皿を頼みに来ない。 しかし、客が増えて来たな……三時のライブに合わせて来たんだろう。 ホールにいるメイドの数は4人。そのうち3人はステージに上がる筈だ。 お、いよいよ始まるな。客は当然、ステージに釘付けだろう。 行くなら、今か。 不自然にならないよう、堂々と立ち上がり、まず壁へ。 姿勢を正し、何事もないように壁をつたい、当たり前のように暖簾をくぐる。 厨房には、いないようだな。 なら。 おちつけ。 観客もメイドもライブに夢中だし、俺のことなんて誰も見ていない。 控室。 音は、ない。 まずはノックだ。反応があればトイレに駆け込ばいい。 …… 反応はない。 反応はないな? よし……! 映:はーい!!そこのお兄さん!!どうしたのカナ? 実:!!! 映:あはははは!大丈夫だよ。落ち着いて、ね。見つかりたくないんだろ?なら見つからないさ。 実:え、な、え、は、はぁ??? 映:まあまあまあ!取り敢えず、席に戻った方がいい頃合いだよ。オムライス、ほら、君注文したじゃないか。そろそろ席に戻らないと、オムライスもライブにも出遅れる……だろ?
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