雪代に浸る

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◆◆◆ 「終わった〜!」 空が藍色に染まる頃、やっと作業を終えた二人は嬉しそうなクリスの声に合わせるかのように湖の側の花園にゴロンと寝転んだ。 「お疲れさん」 「アレクもお疲れ様」 お互いに顔を見つめてクスクスと笑い合う。 湖に着いて神々に祈りを捧げた後、二人で複雑な魔術式を立ち上げ、この湖の設備機器を地上に呼び起こした後は、会話をする間もないくらい本当に大忙しだった。 幸い大きなトラブルもなく、つい先程、日が沈む直前に二人は設備機器をまた人々の目に届かない湖底へと沈め終わった。 ふと見上げた空には星が姿を見せ始めている。ここは空に近いせいか星がとても明るくみえる。 「さすがに二人だと、日程的にもう一日余裕が欲しいな」 「そうだね。アレクと一緒じゃなきゃ、一日なんて無理難題だよ。再来年は回数をふやして貰わなきゃな〜」 クリスの言葉に空から彼に視線を向ければ、先程までのアレクと同じ様にクリスは濃い藍色の空を真っ直ぐ青紫の瞳で見つめている。 思わずがばりと起き上がったアレクは隣で仰向けに寝転んでいるクリスを上から覆う様に抱きしめた。 「何いってんだ。来年も再来年も俺は一緒に来る」 「でも、アレクは2年後、魔術騎士団に戻っちゃうんだよね」 空を見つめたままの寂しさを滲ませた小さなつぶやきは、風の音さえ大きく感じてしまう静かな湖畔で、はっきりとアレクの耳に届けられた
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