Ⅳ 颯(高校3年生)

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*** 「へぇ、K大! すごいね、頭いいんだ深町さん!」 「あ、いや、運がよかっただけなんすけどね……」 「ちょうど一人急に辞めちゃって、人手が足りなくて困ってたんだよねぇ」 そう言って、ゲーセンの店長は、茶封筒を取り出した。 「これ、契約書とかマニュアルね。深町さんさえよければ、明日からでも来てよ!」 ……そうして、トントンと、おれのバイトは決まった。 K大パワー、すげぇ……。 帰りに、なんとなく店内の様子を覗く。 すると、なんか見たことのある後ろ姿が、女といちゃつきながらUFOキャッチャーで遊んでいた。 「……巧?」 「うわっ! ……え、颯じゃん! ひっさしぶり~!!」 そう言って、巧はおれの肩をバシンと叩く。いてぇ。 その振動かは知らないけれど、せっかく吊り上げられていた名探偵コナンの人形は、ストンと元あった場所へ落ちてしまった。 隣の女が「ぅあっ!!」と声を出す。 「たっくん先輩、落ちちゃった……」 「ひっ! そ、そんな縁起でもないこと言わないでぇっ!!」 ……なんか、会って数秒だけど、お似合いだな。 そう思って、おれはにやりと笑った。 「いや、気にすんなよ。デートの邪魔しちゃ悪いからさ」 そんなおれの言葉に、今度は、おれの肩をがしっと掴んだ。 「そんなこと言うなよ~! これ取れたらちょうどマック寄ろうとしてたんだ、良かったら一緒に来いよ! おれの彼女紹介するし!」
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