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まず、颯くんの方からわたしに連絡なんかしてきてくれる奇跡。
次に、颯くんの方から『じゃあ、久しぶりに夜、食べに行こ。(原文ママ)』なんて誘ってくれる奇跡。
そして極めつけに、『車で駅まで迎えに行くから』の部分ね!! ハイここ重要!!
『迎えに行く』だけでもちろん嬉しいのに、『車で』がつくことによって、そこに颯くんの成長を感じてしまい一層キュンキュンが止まらないんですがっ!?
……って。落ち着け、落ち着けわたし……。
「『了解、終わったら連絡するね』……っと」
まぁ、そんな熱い気持ちを伝えても、これまでの経験上ドン引きされてしまうのが目に見えている。
わたしは深呼吸をしてから、平々凡々な返信をした。
……やっぱり、あのピンクのワンピース着て行こう。
だってそのあと、颯くんに会えるんだもん。ふふふ。
「岬、風呂、入らないのかー?」
「あ、お父さん、先に入っていいよー!」
そうすると、靴は? バッグは? というか、髪型どうしよう!
メイクも、夕方まで崩れないように、いい下地付けていかないと!
……えみりのあの言葉をもう一度頭の中でくり返して、「わたしは違うのかも」なんて思ってから、わたしはウキウキな気分で明日の支度を進めた。
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