Ⅴ 岬(24歳)

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「大学のサークルの先輩。OBだから絡みは少なかったんだけど、イケメンだなーって思って、猛アプローチかけちゃった」 「……あれ、そういえば翔くんは?」 「翔なんて、大一の夏にはもう別れちゃったよー」 そ、そうだったんだ……!! 卒業の時は、「一緒の大学行けなかった」って、あんなにヘコんでたのに……! 「ま、先輩とか見ちゃうと、途端に、同い年の男って頼りなく感じるよねー」 「えみり、彼氏は?」 「今はいないけどー。あーあ、わたしも早く経済力のあるイケメンと結婚したーい」 えみりの話を聞いて、えっちゃんは苦笑いをする。 そして、はたと、わたしの方を見た。 「そういえば、岬は?」 「わ、わたしっ!? わ、わたしは……」 突然のパスに戸惑っていると、えみりが口を開いた。 「あっ、聞いてよ悦子! 岬、いま、あの小学生と付き合ってんのっ!!」 「……えぇっ!? 小学生って、あの!?」 「そうそう、あの子!!」 「そ、颯くんはもう小学生じゃないもん、大学生だもんっ!! ゴーホーなお付き合いだもんっ!」 「あんた、なんの話してんのよ……」 「でも、すごくないそれ!? ちょっと、カンドーしちゃった」 「ほんと。たまに近況聞くと、『高校生かっ!』って感じで面白いよ」 「だ、だから、颯くんは大学生だってばっ……!」 「大学生か。そうすると、いまいくつ?」 「え、えっと、十九。もうすぐ二十歳……」 「「わっかぁ……」」 えみりとえっちゃんは、そう声をそろえて、お互いの顔を見た。
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