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「大学のサークルの先輩。OBだから絡みは少なかったんだけど、イケメンだなーって思って、猛アプローチかけちゃった」
「……あれ、そういえば翔くんは?」
「翔なんて、大一の夏にはもう別れちゃったよー」
そ、そうだったんだ……!!
卒業の時は、「一緒の大学行けなかった」って、あんなにヘコんでたのに……!
「ま、先輩とか見ちゃうと、途端に、同い年の男って頼りなく感じるよねー」
「えみり、彼氏は?」
「今はいないけどー。あーあ、わたしも早く経済力のあるイケメンと結婚したーい」
えみりの話を聞いて、えっちゃんは苦笑いをする。
そして、はたと、わたしの方を見た。
「そういえば、岬は?」
「わ、わたしっ!? わ、わたしは……」
突然のパスに戸惑っていると、えみりが口を開いた。
「あっ、聞いてよ悦子! 岬、いま、あの小学生と付き合ってんのっ!!」
「……えぇっ!? 小学生って、あの!?」
「そうそう、あの子!!」
「そ、颯くんはもう小学生じゃないもん、大学生だもんっ!! ゴーホーなお付き合いだもんっ!」
「あんた、なんの話してんのよ……」
「でも、すごくないそれ!? ちょっと、カンドーしちゃった」
「ほんと。たまに近況聞くと、『高校生かっ!』って感じで面白いよ」
「だ、だから、颯くんは大学生だってばっ……!」
「大学生か。そうすると、いまいくつ?」
「え、えっと、十九。もうすぐ二十歳……」
「「わっかぁ……」」
えみりとえっちゃんは、そう声をそろえて、お互いの顔を見た。
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