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その後。
颯くんに連絡をしたら、十分も経たないうちに颯くんが車で迎えに来てくれた。
わたしはワクワクしながら、助手席のドアを開ける。
わたしだけの特等席みたいな感じがして、わたしは、颯くんの車に乗っけてもらうのが大好きだ。
「へへ、ありがと、颯くんっ! ふふふ、嬉しい、なんか久しぶりに会う~」
「いーから、早く乗れ」
もう、相変わらずツンデレさんだなぁ、まったく。
そんなことを思いながら、わたしはいそいそと、颯くんの車に乗り込む。
颯くんはバイトやらレポートやらで、わたしが短大生だったころより、めちゃくちゃ忙しい大学生活を過ごしている。最近は、なんだか特に忙しいみたいで。
だから、ラインで連絡は取り合っているけど、顔を見るのは三週間ぶり。
思わず、顔がにやついてしまう。
「夕飯までまだ時間あるけど、どうする? 行きたいとこある?」
と。颯くんに聞かれて、わたしははっとする。
「えっ!? えっとー……、あ、ららぽーと行きたい!」
「ららぽーと? 別にいいけど、なんか買うの?」
「えっ!? あ、ほら、もうそろそろバーゲンかなーって……」
……ホントは、別に、バーゲンなんてどうでもよくって。
今月は、颯くんのお誕生日だ。しかも二十歳の。
だから、一緒にショッピングに行って、颯くんのほしいもの、調査しておかないと。
……まぁ、とはいえ、本人には言えるはずもなく。
颯くんは「ふぅん? ま、いいけど」と言って、車は動き出した。
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