Ⅴ 岬(24歳)

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その後。 颯くんに連絡をしたら、十分も経たないうちに颯くんが車で迎えに来てくれた。 わたしはワクワクしながら、助手席のドアを開ける。 わたしだけの特等席みたいな感じがして、わたしは、颯くんの車に乗っけてもらうのが大好きだ。 「へへ、ありがと、颯くんっ! ふふふ、嬉しい、なんか久しぶりに会う~」 「いーから、早く乗れ」 もう、相変わらずツンデレさんだなぁ、まったく。 そんなことを思いながら、わたしはいそいそと、颯くんの車に乗り込む。 颯くんはバイトやらレポートやらで、わたしが短大生だったころより、めちゃくちゃ忙しい大学生活を過ごしている。最近は、なんだか特に忙しいみたいで。 だから、ラインで連絡は取り合っているけど、顔を見るのは三週間ぶり。 思わず、顔がにやついてしまう。 「夕飯までまだ時間あるけど、どうする? 行きたいとこある?」 と。颯くんに聞かれて、わたしははっとする。 「えっ!? えっとー……、あ、ららぽーと行きたい!」 「ららぽーと? 別にいいけど、なんか買うの?」 「えっ!? あ、ほら、もうそろそろバーゲンかなーって……」 ……ホントは、別に、バーゲンなんてどうでもよくって。 今月は、颯くんのお誕生日だ。しかも二十歳の。 だから、一緒にショッピングに行って、颯くんのほしいもの、調査しておかないと。 ……まぁ、とはいえ、本人には言えるはずもなく。 颯くんは「ふぅん? ま、いいけど」と言って、車は動き出した。
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