Timeless

　母独特の句点のない文面を眺めて、今後の予定を頭に入れたらすぐに投げるようにスマホを手放した。実家に帰るのはいつぶりだろう。同じ県内に住んでいて、片道一時間半で帰れるとはいえ、その労力すら面倒で帰ってなかった。久々の帰省がおばあちゃんのお葬式なんて。いろんなことに後悔が紐付けられる。過ぎてしまった時間は戻らないのに。家族とも、おばあちゃんとも、会っていない時間が今一番近くて、一緒に過ごしていた時間が一番遠い。時を戻せる魔法が欲しい。今後悔していることは全部行動に移して、なかったことにしたい。でも、もし時が戻せたって、おばあちゃんが死ぬ運命を変えられないのならば、結局また、別の後悔を見つけてしまうのだろう。起きたことは受け入れるしかない。