憂鬱の始まり

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憂鬱の始まり

其れは夏休みに入ってすぐだった。 この日の姉は一段と機嫌が悪かった。 何なんだよ。 不機嫌散らすんじゃねぇーよ。 と思っていた。 その頃やっと3ヶ月くらいになった北斗は、家の中で放し飼いだった。 何かを姉に感じた北斗はどうしたの?と言わんばかりに姉に近づいては手を舐めようとした。 そして事件は起きた。 姉が と叫んで北斗を蹴っ飛ばしたのだ。 私はあまりのショックな出来事に茫然とした。 沸々と怒りが沸いてきた。 お前のせいで…お前のせいでと思った。 お前なんか消えちまえと念じた時には言葉にしていた。 姉は逃げる様に家を飛び出していった。 陽炎立つ炎天下の中。 長袖長ズボンという暑苦しい服装で。
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