憂鬱の始まり

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憂鬱の始まり

未だ姉は帰っていなかった。 散歩にでも行ったんだろうな。いつもの事だと思ったが、悪い予感も同時にしていた。 もうすぐ18時。 母が夕飯の支度を始めた。 暫くして一本の電話が鳴る。 胸がドキリとした。 何だか冷や汗が流れた。 とても嫌な予感がしたのだ。 そして母に言った。 「警察からだよその電話。」 母は直ぐにガスを止め受話器を取った。 その電話の主はやはり警察からだった。 私はとんでもない事をしてしまったとパニックになった。 死ねだなんて消えろだなんて言ったから姉は自殺したんだと思った。 助からなかったら私が殺しちゃった事になる。 どうしようどうしよう。 考えている内に涙が止まらなくなった。 事情を知らない母が泣き出す私を抱きしめて、 「大丈夫。大丈夫よ。」 と落ち着く様に言った。 息が整ったころ、諦めの感情が出てきた。 姉はきっと助からない。 殺したのは私。この業を背負うしかない。 だって、安心してるじゃない。 これでやっと自分だけが愛されると。 とても罪深い事を思った。
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