小さな記憶

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小さな記憶

朝になり、今日はいつもとは違う知らせを母の口から告げられた。 9歳年の離れた姉が入院する事になったらしい。 何処の病院かは分からない。 でも、姉さえ居なければと思っていた私には好都合だった。 当たり前の様に用意された朝食が嬉しかった。 卵焼きにウィンナー、お味噌汁、温かいご飯。 なんて平和だろうと思った。 登校班に間に合う様に、赤いランドセルに乱雑に物を詰める。 何事もなかったかの様に、幼馴染に挨拶をして学校へ向かう。 それが一番だと思ったから。 一限目が始まる前の空き時間、私は仲の良い友達と居た。 きよか、まみこ、ななか、みさ、しおり きよかはちょっとお調子者で明るいタイプ。 まみこは何処か自信なさげで周りに合わせて調和をとるタイプ。 ななかは私の一番の友人。大人っぽくて何でも話せるお洒落や洋楽が好きなタイプ。 みさはまみこととても仲が良くて私とはあまり話さない。印象といったら横縦デカい女。 しおりは面白くて博識なタイプ。 大体いつも一緒に居るのはこの5人だ。
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