ゆうかという女

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ゆうかという女

両親に学校での出来事を話すのはいつぶりだろう。 いつも話す内容と言ったら、学校からもらったプリントは?宿題しなさい。 今日はどこに遊び行くの? 遅くならない内に帰りなさいとか、テレビの話とか。 今日の夕飯はカレーだった。 給食でもカレーだった。 献立のプリント渡したのに見るとこ間違えたのかな? なんて思った。 そして給食の甘めのカレーとは違う、辛いカレーを口に含みながら今日の出来事を話す。 すると父が口を開いた。 「その子のお父さんと同業者だけど、やっぱり親に似るんだな。」 母が促す様に言う。 「何?そういう事が現場でもあったの?」 「噂だけど、機材が無くなった事があって其奴が取ったらしいんだよ。詳しくは知らないけど、そういう事があったらしいんだ。」 私は黙って聞いた。 結局、そんな事件が学校であってとても嫌な気持ちをした事。 何だか学校に行きたくないと思った事が言えなかった。
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