中野区の吸血鬼

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 そこで店のスタッフが止め、マゾは救急車で病院に運ばれた。彼女は放心状態で、ずっとテーブルの血溜まりを眺めていた。  後日聞いた話だと、血は彼女にとって生命であり、魂であるらしい。その血を放出し口にし自分に取り入れる事で普段は自分を表に出せない彼女が精神的に相手と繋がることができるのだと言う。  人との繋がりが一切持てない彼女なりのコミュニケーションなのだ。  ただ俺は、彼女は本当はマゾなのだと思う。 -----終わり
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