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中野区の吸血鬼
今はないSMバーの知り合いに、みんなから「中野区の吸血鬼」と呼ばれている女の子がいた。
年は20代前半黒髪ショートの色白で小柄な、大人しい印象の女の子で自らを特異性癖のサディストと名乗っていた。
普段は欲求を抑えて、心を閉ざしているのだけど、男女問わずマゾからプレイの許可が出ると、もう自分を止めることができなくなるらしい。
女の子は、相手の顔や性格、体型や性癖、どれも全く気にならないと言っていた。
とどのつまり、血が赤ければ良いらしい。
プレイの許可を得た彼女は黒い瞳を凛と輝かせ、相手の手の平をテーブルに抑えつける。
そして、慣れた手つきで自分のバッグからアイスピックを取り出すと躊躇いなく相手の手の甲に5ミリほど突き刺す。
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