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シンデレラ
都合のいい女になるのは得意だった。
桜舞う季節。
大学のサークル活動で2個年上の彼と出会った。
みんなから頼りにされる存在。
いわゆるモテてる人だった。
その時私は地方から出てきたばっかりで右も左もわからない。
そんな私は彼にとってちょうどいいおもちゃだったんだろう。
たまにくるメッセージにさえ、心を躍らせていた。
「今日会える?」
「俺んち来てくれない?」
そう、自分の思いをさらりと載せられる彼も羨ましかった。
メッセージがくるたびに彼の言うとおりにしていた私には
バイトは続かず、大学も難しく。
仕送りをしてくれている両親には申し訳なく思っていたが
それでも彼に溺れていた。
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