5話

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5話  ニャー。 「ハイハイ、もう少しですよ」  私はあの後、しばらく病院にいたけど傷も大分治り包帯も取れて今はお爺ちゃんとお婆ちゃんの家に来ている。  今はご飯の時間で私は待ちきれなくてお婆ちゃんの周りをウロウロ。 「ハイ、お待たせ」  お婆ちゃんが作ってくれるご飯美味しいんだよね。  私は直ぐにペロリと食べてなんだか物足りなくてお爺ちゃんの所にへと行く。   「クロ、ほれ、食べるか?」  お爺ちゃんは自分が食べていた魚を少し分けてくれた。  私は喜んで食べる。   「全く爺さんったら」  お婆ちゃんがお爺ちゃんに呆れた顔をしていたけどお爺ちゃんは笑って受け流していた。  私はなんだか幸せに感じて、2人の間に入ってニャーと鳴いた。  すると2人は見つめ合い、笑いだした。  なんで笑ったのか分からないけど、お爺ちゃんとお婆ちゃんが笑顔なら私は嬉しいからまた私はニャーと鳴いた。   「クロには敵わないな」 「そうですね」  楽しい、嬉しい、幸せだ。  こんな日がずっと続けばいいな……私はそう思っていた。  そんなある日、いつも元気なお爺ちゃんが倒れた。  私はびっくりして慌てて駆け寄りニャーニャーと鳴く。  けれどお爺ちゃんは全く反応しない。  お婆ちゃんは何やら電話していた。  電話が終わりお婆ちゃんも泣きながら呼びかけていたけどやっぱり反応しない。  しばらくするとピーポーピーポーと音がして白い車が家の前に止まる。 「爺さんが!」 「落ち着いて下さい、奥さん」  白い服を着た知らない人がお爺ちゃんを見て運び車に乗せる。 「クロ、ごめんね……すぐ戻るからね」  そう頭を撫でながら私に言ってお婆ちゃんも一緒に乗っていた。  そして車は発進して行ってしまった。  私はひたすら待った。  (お爺ちゃん……大丈夫だよね、きっと)  その日、お婆ちゃんが帰ってきたのは夜のことだった……。  
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