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しかし、それが農家の三男にとって、何に役立つのでしょう。
そんなことは分かりきっていたのですが、それでも、私は勉学をやめられませんでした。
将来立派な人になりたいとかよりも、ただ単に活字や数字に触れることが、私にとっては喜びそのものでした。
ある日、学校の先生が私の家へやって来ました。
両親は平服し、ひとまず先生を客間に通しました。ど田舎にある農家の客間です。牛や土の匂いが充満する部屋で、両親と先生は何やら話をしていました。
襖に近づき、耳を澄ませてみると、どうやら私を高等科へ行かせられないか、そんな相談をしていることが分かりました。
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