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先生は私の成績がいかに優秀で、今までに類を見ない頭を持っているかを説明してくださいました。
しかしそれ以来、その話が表に出ることはありませんでした。私は学校を卒業すると、より一層、家の手伝いをすることになりました。
そしてある年齢になると、婿として養子に出されました。私の学問の夢はここで潰えました。
ただ、自分の子供には同じ想いはさせたくない。学問が好きなら、好きなだけ書物に触れてもらいたい。
私はその決意ともいえる覚悟を持って、生まれ育った家を後にしたのでした。
家を出たその日、外にはしとしと雨が降っていました。
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