2.当て書き

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 BL以外のジャンルならば、少年誌や青年誌に載るような、男の人が主人公のスポーツものやバディもの、冒険譚が好きです。BL愛好家のみなさんには分かっていただけると思うけど、それらの作品で描かれる男どうしの固い絆や熱い闘いを、脳内でほんのりとBL変換しながら楽しんでます。  しかし、私はどうしてだか自分では二次創作ができるとはあまり思わなくて(好きな絵師さん字書きさんの二次作品で心から満足)、好きな漫画やアニメに対して抱くBL的な萌え感情はそのまま、自分のオリジナル作品のキャラクターに反映しちゃってるところがありまして。  そのような私が、ちょうど創作活動を始めたころに熱心に見ていたアニメが「バクテン‼」です。  東北地方を舞台にした、男子新体操部の青春モノ。主人公の少年が運命的に新体操に出会い、強く優しい仲間たちとともにインターハイ出場を目指してがんばる物語です。  「バクテン‼」について語り出すとまた止まらなくなるのですが、最大の魅力は、いじわるなキャラクターが出てこなくて、みんな「いい人」なのにストーリーが成立している点です。スポ根モノによくある「鬼のしごき」も「仲間との反目」も「過去のトラウマ」も一切なし。同期のエース部員はツンデレだけど仲間思いだし、先輩たちもみんな優しい。ライバル強豪校のメンバーともなんだかんだ言いながら仲良し。切磋琢磨という言葉がよく似合う。そんな部員たちをニコニコ笑って見守る監督も男前で、声の出演は櫻井孝宏さん(好き)。日常の疲れや薄汚れた気持ちをひととき忘れて、毎週たのしみに見ていました。  そして私は大人の男の人が好きなので、志田監督が誰かとBLしたらいいのになぁ、などとひそかに妄想もしたりして(お恥ずかしい)。だからそのとき書いていた「先生×生徒」をモチーフにしたBL小説では「バクテン‼」の志田監督をそのまま脳内に思い浮かべていました。  いちおうここでは、自作の作品名は伏せておきましょうね……本来なら小説作品の登場人物の姿かたち、声、雰囲気などは、挿絵がない限り、読んでくださる方に自由に想像していただくのが良いのですから。  ……などと言いつつ、あの写真部顧問の先生はCV櫻井孝宏であることをここに告白します(結局言っちゃう)。  もうひとつ、エブリスタにはまだお引越ししていないけど、fujossyにそっと置いている長編「獣の時間」&スピンオフ掌編「パーティーのあとで」にも、「バクテン‼︎」の先輩キャラクターで当て書きした登場人物が出てきます。  「バクテン‼︎」のかっこいい七ヶ浜先輩と、優しいメガネの築館先輩。志田監督と同じく夏田の最推しでございます。 ◆  今日もまた恥ずかしい告白をしてしまいました。実在のイラストやアニメについて書くのは、たくさんのファンの方がいらっしゃるので緊張します。この原稿も、何回も書き直しました……おつきあいいただきありがとうございました……  次回は、自作の舞台にした実在の場所について書いてみたいと思います。私が住んでいる東京の、いろいろな街の話です。東京西部の武蔵野の街並み、東京大学の小さな植物園、市谷駐屯地や早稲田大学にもほど近い花街・神楽坂、などなど。  それではまた来週、ぜひ遊びにきてね!
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