失恋タル 第4話

2/10
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「最短で、いつ予約できる?」 第一声が、そんな質問だった。 「今度の金曜日の夕方以降になります」 「金曜日の午後7時、ウチに来てくれる?」 「はい。あまり遠くなければ」 「あまり遠くないって意味不明。返答が不適切」 「あ、そうですね。公共交通機関の駅から徒歩1時間以内くらいでしたら伺います」 「バカじゃないか?ウチがニューヨーク市内だったら?北京かもケープタウンかもしれない。それでも駅から近ければ来るのか?」 「あ、それは難しいですね」 「まあいいよ。ウチはツルカメ海岸通りのアマポーラ教会の裏の新築マンション、オーシャンドリーム最上階の2501号。エントランスにある呼び出し電話で2501の後、通話ボタンを押して」 「了解。僕はタクミ。あなたは?」 「依頼人はモニカ。時間厳守で」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!