佳太 24

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佳太 24

プロポーズ。 あんまりロマンチックじゃなかったかな? 半分勢いもあるけど、あの部屋を気に入ってくれたら言おうと思ってた。 でもリコは、泣いてくれた。 「嬉しい」と泣いてくれた。 「ありがとう」と言って泣いてくれた。 ドラマみたいな大袈裟な事も、気恥ずかしくて出来ない僕なのは、きっとリコもわかってくれているはず。 これから、僕の新しい時間は リコと一緒に進んで行く。 もう、あの時の小さな手を 今度は、繋いだまま離さない。 まずは彼女のこれからの出発を、全面的にサポートする。引っ越しの日まで、僕の方で 出来ることは、準備して行こう。 離れ離れになっても、またこうして 僕達は、同じ場所で過ごすことになる。 きっとこれは出会う事も、惹かれ合う事も 偶然じゃない。 愛おしいと思うのは、今の僕の心の全て。 だけど、この気持ちそれを大切に 育てるのは、自分達だ。 これからも 僕は、リコの太陽でいよう。 彼女の笑顔が、輝けるように。 彼女の心が、凍えないように。 僕が、リコからもらえる この安らぎと心地良さに 感謝しよう。
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