二部:遠刎家

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二部:遠刎家

めっちゃ遅くなりました:( ;´꒳`;): 漫画と同時進行の為、超スロー更新ですが最後まで御付き合い頂けたら幸いです。 スターやブックマーク良ければお願いいたします! ┈┈┈以下、第二部┈┈┈┈ 「·························。」 暴れるのをやめた俺はこの悪趣味な部屋のベッドの上で周りを見ていた。 足枷が付いている所からは血が出ており、それが付着して布団の所々が赤い。·····まあ、攫われた身としては悪くないので弁償する気はさらさらないけど。 先輩は今頃·····俺を探してくれてるかな、、、 この部屋には時計が無いので、あの時からどれくらい経ったのか分からない·····。 八瀬という人が他の人が先輩を呼びに行っていると言ってたけどあれは恐らく嘘だろう。 「·····はぁ、、」 今の自分はどうする事も出来ない状態で情けないな。 そんな時、唯一ある木製のドアの向こうから此方へ近付いてくる足音が聴こえてきた。 音が近付く度に緊張が増し、手のひらにはぐっしょりと嫌な汗が溜まる。 「······························。」 やがて·····足音はドアの前で止まり、 『コン、コン、コン』っとノックされて直ぐに人が入って来た。 「あら?目が覚めてたのね」 そう話す人物は暗い赤色のロングヘアで後ろに大きなリボンを付け、顔はネコ目で可愛らしい顔立ち·····小柄でピンク色の着物を着ていた。 見た感じ歳が近い女性な気がする、、、 「·························。」 俺が黙ったままその女を見ていると、 「はぁ·····可愛げの無いΩね。健様はこれの何処が良かったのかしら」と、理解出来ないと言わんばかりの深い溜め息をつく。 そんな事言われても···こっちだって分からないのだから何も言えない。しかも俺は仮の番だ。 「顔はΩの中じゃ可愛くも無いし、身体も小柄じゃない。家も調べたけどそこら辺にいるβと変わんなかった。良い所なんて──────····」と、女は話しつつ俺の前に来ると強引に俺の顎を掴み、 「この桜色の目·····位かしら」と憎々しい者を見る様な目で見てきた。 βっぽいゲテモノのΩだとは自覚してるがまさか良い所が目だけ、と言われるとは思わなかった。 いやいや、そもそも初対面の相手にこれは失礼過ぎるだろ·····。 「失礼な人ですね、ご本人に全部聞いたらいーじゃないですか」と、俺はその手から逃がれる様に顔を逸らす。 瞬間·····俺の行動が気にくわなかったのか、言動が気にくわなかったのか、それとも両方なのかは不明だが「生意気ッ!!」と、いきなり左頬を強く引っ叩かれた。 「ッ痛ぅ、、〜〜〜〜のぉ、」 女だからって流石に手を上げられたのにはムカついてその女の胸元を掴み、自身が拘束されているベッドへ押し倒す。 その衝撃で女の着ていた着物は着崩れを起こし、胸ら辺が顕になったがそれを見て唖然とした。 「え························· 胸 が な い···???」 女性にある筈の胸が無い。 絶壁とかそういう話じゃなくて、『女』だと思っていた目の前の人物は『男』だった。 「だから何??人が狙ってた極上のαを奪っといてよく言うわ!」と、次の瞬間には押し倒していた俺とその男の位置が逆転する。 その事には驚いたけどこの人·····人が狙ってた極上のαって言ったか?! もしかして·····Ω? 「奪うって···人聞きの悪い·····ッ、俺を番に選んだのは、けーさんです!」 「なんですってぇ?健様にどんな汚い手を使ったのよッ!!!」 「はあ??貴方達と一緒にしないでくれ!けーさんは貴方達分家の汚い手にうんざりしてましたよ。汚い事ばかりするから相手にされないんじゃないですか?」 「五月蝿いッ!!!」 女装したΩの男は怒鳴ると馬乗りになって俺の頬を何度も何度も叩き、途中で爪で頬が切れて痛い·····。最近本当に怪我ばかりでウンザリする。 「咲様その辺になされた方が宜しいかと、」 俺を誘拐した八瀬という執事が止める。 「はあ·····はあ···分かってるわよ········」 息を切らしながら咲と呼ばれる人物は俺の胸ぐらを掴んで「選択肢をあげるわ?」と不敵に笑顔で言った。
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