第六話 大魔術師と注文の品

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「あ…一つ言い忘れていた事があるのですが、この魔具はある意味で劇薬です…できるだけ早く使う事を止められる様に計画的に使って欲しい…」  彼女が何を言っているのかよく分からなかった。 「それってどういう…?」 「考えてみてください…味覚を無理に好みに変える訳ですから、使用者にかかる負担もかなり大きい…。  この魔具は、いずれ使用を止めるという前提で設計したものです。  あまり長く使用できる物ではない…。  魔術師ならまだしも、彼には魔術の基礎も教えていないのですよね?」  考えてみると確かにそうだ。  私の血を受け継いでいるとは言え、かなり質の悪い少量の魔力量な上に魔術の基礎も教えていないのだから負担が大きくなっても当然だ。 「もし使い続けたらどうなるのですか?」  私は彼女に確認した。 「それは分からないです。  人によって個人差がありますから…。  魔力中毒になるか、あるいは魔力が暴走するでしょう…どちらにせよ、良い結果にはならないと思います」
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