プロローグ:Schicksal

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プロローグ:Schicksal

 もしかすると。  ここまでは決まっていたことなのかもしれない。いや、間違いない。決まっていた。標の導きはそう言っている。そして、ここからは、全てが無数に分岐していく。人の力で、物語を動かす時が来たのだ。 「まず、ここまで成り行き的にやってきたけど、そもそもどうしてここまで魔女と戦うよう促してきたか、話さないといけない」  ルーシィは大きな建物の入り口に立ち、アイリアとしっかりと顔を見合わせる。アイリアには分かった。今ルーシィからは、全ての迷いが消えようとしている。  隠していたことがあるというのは、分かっていた。それを封じ込めた錠が、今外れた。 「第1の魔女、キュプリア。彼女は、世界に滅びの呪いをかけた。いや、滅びではない。繰り返しの呪い……とも言うべきかな。これは、前に話したことをちょっと詳しくした程度だ」 「世界は止まる……っていうやつ?」  アイリアの誕生日に、世界は止まると以前ルーシィは言っていた。それが本質的にどういった呪いなのか、誰によるものなのかをここで言っただけ。  まだ大したことは言っていない。 「そう。それを止めるためにボクはこの世界と繋がり続け、戻ってきた。魔女が復活すること、それを倒せることは、この呪いを打ち破るための鍵になるようだった」 「……なんかさ、ルーシィって何でも知ってる感じがするね。どこでそんなこと知ってくるのさ」  ふと、アイリアの頭の中にそんな疑問が浮かんだので投げてみた。だが、ルーシィは答えなかった。聞かれなかったかのように無視して続ける。
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