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「この呪いを解くには、第1の魔女をこの世界に引き戻さなければならない……と、思われるんだ。そして魔女の復活はそのために必要な、いわば呪いの方が用意した解除手段。ボクはそう解釈している」
「解釈しているって、確定してないの?」
「こればかりは、試行錯誤が足りない」
試行錯誤。まるで何度も同じことを繰り返しているかのような言いよう。いや、実際に繰り返しているのか。
これが、救世を願う、希望の魔女か。
「試行錯誤……?」
「ボクは記憶に繋がる力を持っているのは、教えた通りだけど……これはかなり応用がきく力なんだ。例えば、前の世界のボクから、大事なとこだけ記憶をちょっと引き継いだりとか」
「……自分じゃない、誰かの記憶?」
いつか聞いた言葉を思い出す。いきなり聞いてきて、そのまま考えないことにして話を通された言葉。その答えがこれではないか、とアイリアは思っていた。
「合ってなくはないけど、若干違う。これに関しては話す予定はないけど、ともかくその死んで覚えた記憶を頼りに、呪いを解く方法を探してるんだ。それで、ここで確実なことは、ここまで倒された二人では足りないということ。魔女の命を以て合鍵とする錠は三つ」
嫌な予感に、アイリアの体が固まる。ルーシィの目がぼんやりと光を放ち、その両手はアイリアにとって覚えのある形をとる。そこから出てきたのは、赤黒い光の二刀。
どうやら、予感は的中するらしい。いつもこうだ。嫌な予感は当たる。
「つまり、ボクはキミを殺さなければならない。もしそれが嫌なら、ボクの息の根を止めてみろ。どちらがキュプリアに見えるに相応しいか、決めようか」
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