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「楽しかったさ。キミ達は、良き友だった。仲間だった。でも、ボクはその関係に、決着をつけなきゃいけないんだ!」
地面に叩き付けられるアイリア。だがここでスイッチが入ったらしく、すぐさま受け身をとって反撃に移る。右手も指以外は戻ってきていた。
「勝手なこと言わないでよ、このどあほ!」
「どあほとは何だどあほとは!」
思いっきり向かっていったが、簡単に弾き返される。普段しているようなやりとりをしながらあっさりと。
その言葉の重みは、いつもよりもずっと重いが。
「ぐぅ……」
「無駄なことを考えると寿命が縮むよ。感情に流されれば、ゴリ押しに走れば、迷えば……負ける。このことをせめてこれから、その身に刻むがいい」
ルーシィの左手から武器が消えたかと思うと、そこから球体がいくつも、曲線的な軌道で飛んでくる。挙動からもしやとアイリアが思った通り、執拗に追いかけてくる。
しかしそれだけならなんとかなる。アイリアならば。縦横無尽に動きまわれば、追いかけてくるだけなので当たらない。問題は、その上でルーシィも追いかけ回してきたり、回り込んだりしてくることである。
校長とルーシィが戦闘に突入したのを、アイリアは目撃している。今回はルーシィのフィールドはまだ展開されていない。だが明らかに、あの時に見た戦い方よりも強い。
「ちょちょちょっと、急に本気出さないでよぉ!」
「命のやりとりという自覚が足りないよ。ならもっと刻んでおくんだね」
辛辣だが、その通りだ。ただ信じたくないだけなのだ。ここで戦わねばならないことを。
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