Zwei:Erinnerung

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 キュプリアは、こうして辺境の地で、一つの村を束ねることになった。奴隷の頃と、意外とやっていることは変わらず、献身的に働きながら、人々と触れ合っていた。  違うのは、自分の力に対しての理解が住人にあるということだった。得体が知れないと言う者はいたが、それでも露骨に避けたりはしなかった。なので、積極的に使って、人々の役に立つことができた。  このような生活が、予てよりの理想。いつまで生き続ければいいのかもわからず、ずっと少女のまま生き続けるキュプリアも、これがずっと続くのであれば悪くない、と思った。なにも心に詰まるものがなく、ゆったりとした日々を過ごせる。  時々誰かが老いて、死んでいったりもしたが、先立たれる悲しみも、感じられることのありがたさを与えてくれた。 「こういう生き方を……キミは幸せだって思うかい?」  ルーシィは突然、こんな質問をアイリアに投げかけた。ずっと黙って見ていただけに、急に喋られると何を言ったらいいか分からなくなる。 「さ、さぁ〜、どーだろ?」  こんな曖昧な返事しかできないアイリアに対し、ルーシィはどうも不満らしく頬を膨らませる。そんないきなり答えられなかったからって、と不平を垂れずにはいられないアイリアであった。 「いや、ボク割と大事な質問したと思うんだけどな。キミ、哲学そんな苦手じゃないと思うんだけどな」 「うん、苦手じゃない。そうなんだけどね、あたしには本当によくわかんないんだよ。本当に、こんな平和な生き方していいのか。誰かが、許してくれないんじゃないかって……不安なんだ」
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