Zwei:Erinnerung

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【ルーシィの話】 「一体……何が起きたの?」  突然のことに戸惑いを隠せないアイリア。ルーシィは強く吹き飛ばされていた。心配して近寄ると、頭を押さえてよろめきながらも立ち上がった。 「どうやら、拒絶されたらしい。彼女の……魔女キュプリアの、記憶領域に入る行為を……」 「拒絶……?」  アイリアの認識では、この記憶領域はルーシィの能力、あるいは魔法によるもの。であるならば、記憶にあるものならば何でも映し出せるはずなのだが、彼女の力は本質的な部分で、実は違う。 「そう。ボクは他者の記憶領域を覗き見ることができる。けれど、それは記憶の持ち主側から拒絶することができるんだ。大抵の相手は、その拒絶をこちらからさらに強くブロックすることで、好き勝手に見られるけれど……キュプリアは、ボクより明らかに上位にいる」 「ってことは、これ以降は見せないって決められたら、従うしかないってこと?」 「そうなる。しかし妙だな……今まではほぼ全部見られたし、見せないならここまでを見せない必要性も……」  考えたところで仕方あるまい。見られないものは見られない。残念ながらわかりません、それで終了だ。とは言えども、アイリアに諦められるはずがない。彼女の好奇心は強いのだ。 「じゃ、じゃあさ。記憶を受け取ったのなら、口伝えっていうのは……」 「ダメだ。ボクの記憶の能力は、言うなればストリーミングによるもの。記憶の元と繋がってないと、思い出すこともできない。実際、今頑張ってキュプリアのその後を思い出そうとしているけど、思い出せない」
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