Zwei:Erinnerung

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「分かっちゃうんだ……ニルヴって、何でも分かっちゃうんだ……すごい、分かっちゃうんだ……」  感心を通り越して、ドン引きである。アイリアとしては、何の予兆も無く突然戦うことを強いられたという認識。ニルヴは、見抜いていたらしい。  この「見抜く力」というものにおいては、やはり彼は圧倒的。頭が単純に早く動く。 「細かい所作から、ひょっとして将来的に死ぬことを分かっているタイプの人間なのかと思ったらしいよ。どんな妄想だよって普通は思われることなのにさ、堂々と言うからビックリしたよ」 「ニルヴのことだし、しっかり理屈でそう思った理由も言えるんだろうなぁ、多分」 「ああ、本当に参ったよ。最大の決め手は……君のだそうだ。無関係な気がしなかったんだとさ。大したものだよ」  涙。といえば……ルーシィのことが校長にバレた日と、エリアスと試合した日。急に涙が流れ出し、表情一つ変えないまま涙だけ止まらなかった。  そうか、あれは。アイリアは気付く。 「あれは……あたしがルーシィとの別れの未来を悲しんでたってこと?」 「ああ、そうなるとボクは解釈してる。記憶はキミがキミ自身で持つものだけ、それでもおそらくは前回の周回での体験が、記憶じゃないところで残存していたんだろうね。流石にそこまでニルヴは完璧に言い当てはしなかったけど、なんというか、勘の使い方がうまかったな、あの論証は……鮮やかだった」 「なんかさ、延々と話しそうな気がするんだけど、エンゼルの話に入っていい?」  アイリアの態度に、ルーシィは妙な違和感を覚えた。話した内容以前に、エンゼルのことを聞きたいといった感じ。
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