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【アイリアの答え】
ゴクリ。固唾を飲んで、自分よりもほんの僅かに低いルーシィの目線に高さを合わせる。それに一瞬気持ちが揺らいだか、僅かに目を逸らすルーシィだったが、すぐに正面を見てくれた。
「ボクはね、キミのことが……大好きだったんだよね。出会う前から、前の周回から、あるいはずっとずっと前から」
「……うん、それはまあ、そうだろうけど……」
極めて当然のことであるかのように返答をするアイリア。どうやらこの言葉の重みというものを実感できていないらしい。ルーシィには、更に言葉を付け加えることを要求されているようだ。
「いや、よく考えてから言葉を使いなよ。何のためにボクは精神的な中身で言えば男だとか、そういう面倒くさい事情を話したと思ってるんだい?」
「んー……?」
「分かんない、かなぁ……」
想定以上に相手が鈍感すぎて、先程までの緊張はどこへやら、どうやって相手に理解してもらおうかという考えに支配されていた。
単純に恥ずかしいので直接的な言い方は避けたかったようだが、この際仕方ない。
「分かんないよー。もっとちゃんと言ってよー」
「友達としての感情の好きじゃないんだよ。それ以上のとこまで行ってるってこと、わかる!?」
「……え、そーゆーこと!?」
これでも完全にダイレクトではないが、ようやく通じたらしい。伝わってからは早かった。ルーシィはダムが決壊したように話し始めた。
「遠く南の砂漠で復活してから、キミの反応だけを目指したのも、キミに強くなってもらったのも、たくさんのことを秘密にしたのも……キミに負けたのだってそうだ。キミが好きで仕方なかったから、ボク自身がどうなろうとやり切れた。怪しい奴という役目も、まとめ役も、裏切り者役もちゃんとやり切れた。キミと、キミの生きる世界のためだ!」
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