5人が本棚に入れています
本棚に追加
「M子のうんこなら食べちゃう」
「今ここで、甘露煮にかけますか?」
「待って」
渋々布団から顔を出すと続けて言う。
「甘露煮は甘露煮で食べたい」
2人は、いつもこんな調子だった。
叩いて、叩かれて、の仲だとM子さんは言っていたが、形式上M男君がご主人様でも2人の間に上下はなかった。
「あら、M子さん。こんにちは」
病室のドアが開き、妙齢の女性がM子さんに声をかけた。M男君の妻である。
「奥様。お邪魔しています」
M子さんが笑顔でそう答える。奥さんは、M男君とM子さんの関係を知っていて、容認している。そればかりか、たまにM子さんと2人で買い物や食事も行っていた。
最初のコメントを投稿しよう!