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旦那の性癖を知っていて、もうほとんど病気だと諦めているそうだが、それよりも子供のいない奥さんにとって、いつも明るいM子さんは旦那以上に大切な存在なのだろう。
「あら、甘露煮。美味しそうね」
奥さんはM子さんの隣に座ると指で甘露煮を摘んで頭からパクリと食べた。うんこをしなくて良かったとM男君もM子さんも思ったことだろう。
「あなた、来週で退院らしいわよ」
「そうなんですか!?」
声を上げたのはM子さんだった。M男君は、ほおっと息を吐き笑顔を見せた。検査入院とは言え病院は何かと窮屈で、やはり退院は嬉しいのだ。ベッドから半身を起こし、M男君は早速M子さんに言った。
「じゃぁ、退院祝いを兼ねてさ。来週SMバーに行こうか」
「でも、大丈夫なんですか?」
身体を気遣いM子さんが聞く。それに笑顔で奥さんが代わりに答える。
「いいんじゃない。どうせじっとしてられやしないんだから」
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